現代GP


2007年度 第2回 eLPCO公開講座開催報告

 青山学院大学総合研究所eラーニング人材育成研究センターでは、平成17年度文部科学省現代的教育ニーズ取組支援プログラム、現代GP)に採択され、「eラーニング専門家育成プログラム」の成果を、学外・学内の教職員の皆様、並びに社会で教育の分野でご活躍の皆様に広く還元するべく、2007年6月12日〜6月29日に第2回eLPCO公開講座を開催いたしました。
 本講座では、第1回eLPCO公開講座と同様にeラーニングについての基礎知識を習得する入門コースを受講後に、5種類の専門コース((1) インストラクショナルデザイナ、(2) コンテンツスペシャリスト、(3) インストラクタ、(4) メンタ、(5) ラーニングシステムプロデューサ)の中から希望コースを選び、受講して頂きました。コースは対面で行う集合研修と、eラーニング教材を用いる自己学習で構成されていました。
 本講座のレベルは初級程度に設定され、予備知識がなくても無理なく受講してもらえるようなコースを提供いたしました。第1回に参加された方々は、専門コースのみ受講して頂きました。また、eラーニングの際にはオンラインでメンタリング(学習支援)が行われ、各コースのメンタが学習者の質問に回答し、学習を促すようなメッセージを学習者に配信しました。講座の概要は以下のとおりです。

概要

第2回eLPCO公開講座−eラーニング専門家育成短期集中講座−
6月12日(火)〜6月29日(金)
 

  • 入門コース 集合研修3時間 6月12日(火) 18:30〜21:30
  •  詳細 1.学習管理システム操作法 18:30〜19:15 総研ビル 9階16会議室
         2.eラーニング入門      19:30〜21:30 総研ビル 9階16会議室
     
  • 自己学習 2時間程度 6月12日〜21日
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  • 専門コース集合研修 3時間  6月22日(金) 18:30〜21:30
  •  詳細 (1) インストラクショナルデザイナ    総研ビル 9階16会議室
         (2) コンテンツスペシャリスト         総研ビル 9階15会議室
         (3) インストラクタ               総研ビル 7階12会議室
         (4) メンタ                   総研ビル 10階17会議室
         (5) ラーニングシステムプロデューサ 総研ビル 3階10会議室
         ((1)から(5)のいずれかのコースを選ぶ。定員は各専門家20名)
     
  • 自己学習 2時間程度 6月23日(土)〜29日(金)
  • 課題提出期限 6月29日(金)
    完了証発送予定 7月24日(火)


    コース紹介

    入門コース(全員同一プログラム)(講師:松田 岳士)

     入門コースでは、まず学習管理システムの操作法、公開講座の概要、自己学習の方法、 eLPCOの概要について学習しました。その上で、eラーニングとは何か、eラーニングを高等教育に取り入れるのはなぜか、 IDプロセスとは何か、5種類の専門家とは何かについて学習しました。入門コースでは、受講者の方がその後の専門コースを無理なく受講できるように、専門コースすべての科目の基礎を取り扱いました。

    専門コース(専門家別プログラム)

     専門コースでは、以下に示す5種類の専門家の各コースに分かれて学習しました。
    (1) インストラクショナルデザイナ(講師:堀内 淑子)
     人材像:インストラクショナルデザイン手法を用いて、eラーニングの教育プログラムを設計、評価する専門家。
    (2) コンテンツスペシャリスト(講師:長沼 将一)
     人材像:eラーニングの教育プログラムの設計を反映して、適用すべきメディアの特徴を踏まえた教材を制作する専門家。
    (3) インストラクタ(講師:長田 尚子)
     人材像:授業を通じて教授活動をする専門家。
    (4) メンタ(講師:松田 岳士)
     人材像:eラーニングにおいて、学習者に対する質疑応答や情意面からの学習支援を行い、学生の主体的な学習に対する動機付けを行う専門家。
    (5) ラーニングシステムプロデューサ(講師:権藤 俊彦)
     人材像:学習管理システムの運用や、コンテンツ管理を通して、技術的な側面から授業運営を支援し、さらにeラーニングシステムの要件定義や設計にも関わる専門家。

    評価

     第2回eLPCO公開講座では、第1回の反省点を踏まえ、教職員の方々が参加しやすいよう、講座の時間を18:30-21:30に致しましたが、本講座の登録者は、67名で、企業の方が65.7%、学校関係者26.9%、独立行政法人・NPO等7.5%という内訳となりました。そのうち、10名の方が参加2回目となりました。
     各研修、教材などの満足度を受講者の皆様に評価して頂いた結果、12日の対面研修では、4段階評価で、3.3を頂き、22日の対面研修でも3.4という高評価を頂きました。特に、メンタコースの対面授業では、3.8という高評価を頂きました。また、各コースのe-ラーニングの教材の満足度も、3.0を超え、質の高い公開講座をご提供できたと確信することができました。

    受講者内訳

    参加登録者数 (参加2回目 10名)

    専門家登録者数
    インストラクショナルデザイナ19
    コンテンツスペシャリスト7
    メンタ19

    公開講座登録者の所属

    登録者数%
    企業4465.7
    学校関係者1826.9
    独立行政法人・NPO等57.5
    合計(名)67100

    アンケート結果

     今回のアンケート結果からは、eラーニングを体験できたことに対する満足感やeラーニングの必要性を再認識された様子がうかがえ、多くの受講者が、それぞれのコースを体系的に学習していたことが推察できます。その一方で、リアルなコミュニケーションを求めていたり、より具体的な事例を挙げた講座を期待していた受講者も少なからず散見されました。また、インターフェイスの改善を求めた声も注視すべき点に挙げることができます。今後はこのような点を考慮に入れたプログラムの再構築や修正などによって、受講者により効果的に学んでもらえる環境を整える予定です。
     具体的には、次のような意見をいただいています。

    良い点

     

  • 今回初めてeラーニングを受講する側に回りましたが、学習の継続には、本当に強い意志が必要だと思いました。「いつでもどこでもできる」というのは、「いつだってどこでだって、やろうと思わなければできない。」ということだと痛感しました。
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  • とりわけ仕事に追われている時にはどうしても後回しになってしまいました。先生方のメンタリングメールに肩を押されて頑張ることができました。これからは、自分がeラーニングを作るときには、受講の継続に力をおいた仕組みをつくらなくてはいけないと思いました。
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  • e-Learningを体験できた。インストラクショナルデザインについて、改めて学習するきっかけとなりました。
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  • 対面講義(インプット)、SRL、対面講義(ディスカッション)、最終レポートと学習手法が効果的に組み合わされており、学んだ内容をアウトプットする機会が多く用意されていた点は良かった。また、メンタリングも非常に丁寧に対応いただけて、満足しております。
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  • 最初の入門で担当の先生のお顔を見ることができたのは、その後の受講の際にモチベーションを持ち続けることにつながりました。やはりどこの誰ともわからない「声」だけの無機質なラーニングは、厳しいかもしれないということがわかりました。
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  • 公開講座で、今一度eラーニングについて整理し、考えるようになれました。
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  • 先生のお話が面白かったです。実務的で大変役に立ちました。渡されたテキストや資料がきちんとしていました
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  • 経験を元にした話がたくさん聞けたことが良かったです。一つの問に対するいろんな人の答えを見て、その場で解説が聞けたことも良かったです。
  • 改善点

     

  • 集合研修で、名刺交換したり、希望者の名刺をコピーして配るなど、参加者間の交流や人的ネットワーク構築のための時間やしかけを設けてほしかったです
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  • 専門コースの授業時間を延ばしたり、授業回数を増やしてもらいたいと思いました。演習は良かったのですが、演習をしたら、発表とかディスカッションとかもやった方が良いと思います。今回はその時間がありませんでした。
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  • LMSはインターフェースの部分を改善する必要があります。特に科目メニューについては、何階層入っていってもタイトルが同じものがあり、非常に困惑します。(例:「教材グループ」とか「テスト」とか「ワークプレース」とか)」
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  • 使ったWebアプリ上で、全体の構造が見えにくいために、迷子になりやすいと思いました。どこにどんな情報があるかの一覧性が悪い点で、必要な情報がどこにあるかが非常に探しにくかったように思います。
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  • 大学の教員等に対しての講座であれば現状のもので良いと思われるが、企業を相手(有料)とする場合、企業の事例等をもう少し増やさないと、クレームが出る恐れがあると思われます。(これは集合教育においても同じ事が言えると思う)。
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  • ケーススタディなどを通じて、より実践的な演習ができると良いと思います。
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  • eラーニングの実践に即した講義を受講したいと思いました。
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  • 受講生間のディスカッションがあればもっとよかったと思います。
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  • システムプロデューサの講座では、大学事例が私にとって関心事でした。もう少し深く知ることができればと思いました。
  • 要望

     

  • eラーニングベンダーなど、あるコースの実例などのケーススタディがあるといいかと思います。
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  • システムのインターフェースをよりわかりやすく改善していただけるよう希望したいです。
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  • 公開講座でも、単位を取った人には、「eラーニング限定」で良いので、教職免許を発行してもらえると、やりがいになります。
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  • 自動車の免許と同様に更新制の免許で、「AT専用」みたいに「eラーニング専用」のがあったりしてもいいと思います。今後、eラーニングで教える人材がたくさん必要になるので、一定の基準をクリアした人をたくさん輩出して、eラーニング普及促進を図る必要があるのではないかと思います。
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  • eラーニング専門家5職種のそれぞれについて、今回のような基礎コースの上に、それぞれの事例実践を扱う応用コースがあれば、是非受講したいと思います。
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  • eラーニングの専門家を送り込む先は企業が主と思われるので、企業の事例等をもう少し増やした方がより実践的な教育なるものと思われるので、企業事例を増やして頂きたいと思います。
  • 成果

     今回の成果としては、次の3点の成果が挙げられます。それは、1. eラーニング専門家のニーズの再確認 2.事例を踏まえた実践的な学習内容の必要性、3.ディスカッションを通しての問題共有や解決策の模索の機会の提供です。
     ニーズの再確認についてですが、今回は、67名に参加登録を行って頂きましたが、インストラクショナルデザイナコースは、申し込みが開始されてから、2週間以内に定員を満たしたということからも、特にインストラクショナルデザイナへのニーズの高まりが感じられます。教育プロセスを体系的に考え、効果的なeラーニングを提供したいというニーズの現われだと考えられます。
     また、事例を踏まえた実践的な学習の必要性も認識することができました。これも、実際に有用できる知識、スキルは求められているという背景があると思われます。多くの受講者が現在e-ラーニング業界に従事していることからも、即利用できる知識を習得したいという思いがあると考えられます。
     最後に、ディスカッションなどの実際のコミュニケーションを通じて、問題を共有し、問題解決の糸口を共に模索したいということがあるように思われます。 以上のような点を踏まえ、今後のeLPCO公開講座の内容を再検討し、世の中のニーズに応じた講座を提供したいと思います。